「夏祭り!裸の少年」における「Never My Love」披露に込められた意味

 

7月20日よりEXシアター六本木で公演が行われている「夏祭り!裸の少年」。

 

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この公演は4種類あるのですが、その全てにおいて、「Never My Love」という曲が最後から2番目*1に披露されました。この記事では、「Never My Love」の持つ意味について紹介していきたいと思います。

 

「Never My Love」の歴史

まずは、「Never My Love」とジャニーズ事務所の歴史を振り返ってみます。

 

◆1964年12月 ジャニーズ*2が「若い涙」にてデビュー*3

 

◆1966年 ジャニーズの渡米時、バリー・デヴォーゾン氏*4*5に「Never My Love」を提供してもらう。レコーディングもしたものの、日程の都合で帰国せざるを得なかったため全米発売は実現しなかった。*6

 

◆1967年 アソシエイションが「Never My Love」を発売。Billboard Hot 100チャートで2 位、Cashboxチャートで1位を記録。*7

 

◆1972年 フォーリーブスのアルバム「スーパープレゼント」に「Never My Love」が収録*8

 

◆1976年 あおい輝彦*9がソロコンサートで「Never My Love」を披露*10

 

◆1977年 あおい輝彦のアルバム「あおい輝彦 オンステージ」に前年のソロコンサートの音源が収録*11

 

◆1996年 少年隊のアルバム「PLAY ZONE'96 RHYTHM」に「Never My Love」が収録*12

 

◆1999年 Broadcast Music, Inc.が「Never My Love」が「20世紀のラジオとテレビで2番目に多く演奏された」と発表*13

 

◆2013年 A.B.C-ZがDVD「Never My Love」をリリース

 

◆2018年 HiHi Jets東京B少年が「Never My Love」を「夏祭り!裸の少年」で披露

 

この歴史から、「Never My Love」について、いくつかのことが見えてきます。

 

ジャニーズの到達点を示す

今でこそ「アイドル事務所」という認識をされることの多いジャニーズ事務所ですが、設立当初は、「アメリカに通用するアーティストを育成する」という目的のもと、本格志向の楽曲を多くリリースしていました。全米1位に輝くような曲がジャニーズに提供されていたという事実は、ジャニーズの目指す先*14を示すものとなっています。

 

50年以上にわたるジャニーズの歴史を継承する

1966年の提供時から50年以上にわたって歌い継がれる「Never My Love」。少年隊やA.B.C-Zなど、多くの舞台で主演を務める、いわば「ジャニーズの王道」のグループが歌ってきていることから考えても、この曲は、ジャニーズの歴史、ひいてはジャニーさんの意志を未来へとつなげていく、そんな意味合いを持っているといえるでしょう。

 

つまり、この曲を選んだということは、「ジャニーズの歴史を受け継ぎ、本格的なアーティストになるという到達点へと向かっていく」という一種の意思表示と受け取れるのです。 

 

歌詞から見る

「Never My Love」の持つ意味は歌詞にも表れています。

 

タイトルを直訳すると「かなわぬ恋」なので、一見すると失恋ソングに受け取られがちですが、正確にはそうではありません。

 

 歌詞を引用させていただきます。*15

 

You ask me if there'll come a time when I grow tired of you

Never my love

Never my love

 

You wonder if this heart of mine will lose its desire for you

Never my love

Never my love

 

What makes you think love will end

When you know that my whole life depends on you

 

Never my love

Never my love

 

You say you fear I'll change my mind and I won't require you

Never my love

Never my love

 

How can you think love will end

When I've asked you to spend your whole life with me

 

「Never My Love」(作詞・作曲:Addrisi Brothers)より引用

 

歌い手の視点で和訳すると、下のようになります。

 

僕が君に飽きてしまう時がもし来たらって聞きたいんだね

決してそんなことにはならないよ

決してそんなことにはならないよ

 

僕の心が君に対する想いを失ってしまうのではないかって心配しているんだね

決してそんなことにはならないよ

決してそんなことにはならないよ

 

なんで君は愛が終わるなんて思ってしまうの?

僕の人生は君なしでは成立しないのに

 

決してそんなことにはならないよ

決してそんなことにはならないよ

 

僕の想いが変わって君を必要としなくなったら怖いって君は言う

決してそんなことにはならないよ

決してそんなことにはならないよ

 

なんで君は愛が終わるなんて考えてしまうの?

一生僕と一緒に過ごしてほしいと頼んだのに


この歌詞からわかるように、「Never My Love」は、愛が続かないのではないかという「君」の不安に対し、永遠の愛を誓う曲になっています。

 

そして、この歌詞の内容を、これから大きく羽ばたいていくであろうHiHi Jets東京B少年とそのファンの関係性に置き換えてみると、「スターへの階段を駆け上がっていく彼らが遠くに行ってしまうような気がする」ファンに対し、「そんなことはない」と優しく否定し、「ずっと大切にする」という気持ちを表明しているといえるでしょう。

 

このように、歌い手とそのファン、という点でいうと、「Never My Love」は「One Love」のような世界観を持つ楽曲といえます。

 

そして、特筆すべきは、「夏祭り!裸の少年」において、この「Never My Love」が「絆」の直後に披露されていることです。

 

 ここで、「絆」についても歌詞を引用させていただきます。*16

 

一歩づつでいいさ この手を離さずに
共に歩んだ日々が 生きつづけてるから
ボロボロになるまで 引きさかれていても
あの時のあの場所 消えないこの絆

 

「絆」(作詞:亀梨和也/作曲:馬飼野康二)より引用

 

「絆」のことを、その歌詞から「メンバーとのつながりを歌ったもの」と考えると、直後の「Never My Love」は「ファンとのつながりを歌ったもの」であったとしても不自然ではないでしょう。

 

コンサートの形式から考える

「Never My Love」は、これまで多くのジャニーズの舞台で披露されてきました。しかし、今回の「夏祭り!裸の少年」のように、ライブ形式の公演では披露されてきませんでした。

 

これは、「Never My Love」が特定のグループの持ち歌ではないということに起因するものですが、あえてほかの理由を考えるのであれば、「Never My Love」が近年の「アイドル的」なジャニーズの方向性と一線を画した、いわば「本格志向」の楽曲であることも理由としてあげられるかもしれません。

 

実際、落ち着いた楽曲、しかも全編英語詞の「Never My Love」に合わせてペンライトの光が揺れる様子は、想像するだけで誰しもが「不思議な風景だ」と思うのではないでしょうか。

 

そんな楽曲である「Never My Love」を「夏祭り!裸の少年」で披露したということは、この公演に挑戦心が秘められていることを示しているのかもしれません。

 

この「Never My Love」がセットリストに含まれていることで、全く新しい、オンリーワンの公演が実現されているように感じました。

 

まとめ

「Never My Love」には大きく分けて4つの大切な意味合いがあることをお話してきました。

 

①ジャニーズの到達点を示す

②ジャニーズの歴史を受け継ぐ

③ファンとのつながり

④挑戦心を表す

 

これはあくまでファンの妄想ですが、もしかしたら…と思い、記事にさせていただきました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

注:この記事は、「Never My Love」の披露を出演者自らが決めたという仮定に基づいて執筆しています。なお、「Never My Love」の披露が事務所の意向によって決まったと仮定した場合でも、この記事のことを「事務所が本公演、そして出演者のことをどう捉えているか、もしくはどうなってほしいと考えているかを検討している記事」と解釈して読むことができるものと考えています。(分かりにくい説明で申し訳ありません。)